少女土足

久しぶりの目撃体験談。中学1年のとき、古い部室棟が取り壊され、新しく立て直しが行われました。そして中2になって、ようやく完成しました。

すると、新しい部室棟ということで、なぜか棟内での土足禁止が徹底されました。

でも、校庭の端に立つ、コンクリートの建物で、しかも、運動部の部室用に造られており、どうみても、土足で使用する印象の建物でした。

とはいえ、基本的に真面目な田舎の小規模公立中学校であり、生徒みんなが土足禁止ルールに従っており、コンクリートの床は、常にキレイな状態を保っていました。

で、ある日。部室棟の完成から数ヵ月後の日曜日だったと思います。

私たちテニス部が練習していると、他校のバレー部かバスケ部の女子の一団が自転車でやってきました。

夏の大会を前に、うちの学校で、練習試合が行われるようです。

同様に、うちの学校の女子たちも、いちおう試合ということで、普段の体操着ではなく、ユニフォーム姿でした。

で、それからしばらくして。

部活に集中していましたが、ふと部室棟の方を見ると、練習試合の休憩時間に入ったようで、他校の女子たちが部室棟に向かって歩いています。水を飲みに向かっているようです。

部室棟は、2階建てで、各階は階段を中心に左右に2部屋ずつ。合計8の部屋があります。で、階段の踊り場から2階へ向かう折り返しの部分の下にある空間が、水道になっていました。

わたしたちも、休憩中や部活終了後、そこで水を飲んだり手を洗ったりしていますが、もちろん、めんどくさいとはいえちゃんと靴をぬいで、上がっていました。

ですが、そこは他校の女子たち。もちろん土足禁止ルールは知らされておらず、しかも、たんなる部室棟のコンクリートの床です。

キャッキャと、なにやら喋りながら、当然のように何も気にかけることなく、靴のまま、わずか数センチの段差を上がりました。そのまま、本来は土足禁止であるコンクリート部を歩いて、水道に向かったのです。

この一連の行動を、遠目から見ていて、ホント興奮したのを覚えています。

普段、自分たちが靴を脱いで、大切に使っている部室棟。そこへ、他校の女子が文字通り土足のまま上がりこんで、汚したのです。

女子たちは、多少キレイな床とは思っても、それは新築の部室棟だからと思ったでしょう。まさか、今自分が歩いている場所は、みんなが靴下で歩く場所であるとは思いもしなかったでしょう。

でも、そんな「意識せずに土足している」「悪気なしに、やっちゃいけないいことをしている」、そういう状態っていうのも、すごくいいものです。